ハモンのカッティングは複雑なようですが、そんなことではありません。10の手順でハモンをまるでプロのようにカットすることができます。では始めましょう。
まず、最も幅の広い部分であるマサから始め、蹄が上を向くように原木を置きます。そうすると、マサがこちら側、コントラマサ(マサと反対側)は下を向くようになります。蹄の下方のコディージョ(膝の周辺部位)は原木の上部にあります。プンタ(先端)は蹄の反対側に位置しています。
ハモン原木をハモネロ(ホルダー)にしっかりと固定します。原木が動かず、カットしやすい高さにあることを確認します。できましたか?
ここでナイフが登場します。足の骨に沿って大きなナイフの刃を当てていきます。「後ろ足の膝」として知られる、足の骨の出っ張った部分から2 cm下のところに、直角に切り込みを入れる必要があります。
その後、骨まで深く切り込みます。そこから2本指分の幅を取って斜めにカットし、くさび形の小片をカットします。この形状のカッティングのおかげで、原木を裏返してコントラマサの方からコディージョを食べ始めることができます。
カットする部分だけ皮と黄色い脂を取り除きます。そうすることで、スライスしたハモンが苦い味を帯びるのを防ぎます。その上、切り進むにつれて脂肪を取り除いていくことをお勧めします。そうすればハモンが乾燥しないからです。 ところで、脂肪を取り除くと言っても、ハモンを覆うすべての脂身を取ってしますわけではありません。ハモンを「包み込む」ように1 cmか 2 cmの脂身を残します。脂身の長いスライスを2片取っておいて、カッティング後切り口に被せておきましょう。
一方方向にカットしていきます。これが原木の中心を決めることになります。これを基準として原木の上部からカットしていきます。切り進んでいくと骨に近づいていきます。常にハモン用ナイフをしっかり掴んで思い切ってカットしていきます。重要でないと思われがちですが、切り口が水平になるようカットする必要があります。
骨についてですが、マサの部分をスライス状カットしていてまず現れる骨は腰骨です。骨取り用の短いナイフを使って、骨の周り(骨にできるだけ近い部分)に切り込みを入れる必要があります。気をつけてください!骨を切ってしまうと、ハモンのスライスに破片が混じってしまいます。さらに切り進めていくと、原木の下側の骨、大腿骨に当たります。突出した骨の先端から赤身の部分を切り離します。骨の周りに沿ってナイフの刃でカットします。酸化を防ぐために、なるべくハモンを必要以上に刺さないようにしましょう。
蹄が下を向くように固定した場合、カッティング面は「コントラマサ」あるいは「膝蓋骨」と呼ばれます。カッティングは原木の最上部から始め、マサの切り口と平行にスライスしていきます。皮と黄色い脂を取り除くのを忘れないでください。
カッティングの当初から、原木の先端にある尾骨が見つかります。スライス面の反対側に膝蓋骨が現れます。骨取り用の短いナイフを使って骨の周り(骨にできるだけ近い部分)に切り込みを入れ、切り口を水平に保って薄くスライスします。膝蓋骨のスライスにはより赤身が多く、脂身が少なくより熟成が進んでいるため濃厚な味わいを楽しむことができます。切り進むにつれて骨の面積が大きくなっていきます。注意としては、揃った大きさにスライスするのが困難になったとき、カッティングを終了します。
いよいよ最終ステップです。骨が邪魔して平らにカットできず、揃った大きさにスライスすることができなくなったら、ハモンを小さくスライスして原木から取れるだけ取ります。残った赤身を利用してイベリコ豚を角状にカットすることもできます。骨はコシード、煮込み料理やスープに使うとよい出汁が出ます。こぶし大に骨を切り取って冷凍しておけばさまざまな機会に利用することができます。豚は捨てるところがないのです。
以上がハモンの原木をカッティングするための10の簡単な手順です。
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